耳の病気について『耳の主な病気』- Ear

耳の主な病気

 

突発性難聴

症状
突然おきる原因不明の高度の内耳性難聴であり、原因はウイルス感染や、血のめぐりが悪くなって起こったものと考えられています。随伴症状としてのめまいは珍しくありません。めまいを伴うほうが予後が悪いようです。
治療
循環改善薬、代謝改善薬、ステロイドホルモンなどで、神経ブロックといい神経に麻酔をすることにより、血管の緊張を解き血の流れを良くする治療などがあります発症後時間が10日以上経つと回復する率がへりますので、早期の診断と治療が重要です。難聴の程度によっては早期の入院加療が望ましいこともあります。
 

耳鳴り

症状
外界からの音刺激がないにもかかわらず、耳や頭の中に音が感じられる現象です。
治療

耳鳴りは自分で自覚していても、周囲の人からは聞こえないものと、周囲の人も聞こえるもの(他覚性耳鳴)があります。また多くは難聴を伴っておこる場合と難聴がない無難聴性耳鳴とがあり、判別には正確な検査と熟練した知識がポイントです。ポイントがずれていては、耳鳴り治療は成功しません。

まず耳鳴りはどこから起こるのかという問題を解決しなければなりませんが、これが最も困難なことです。他覚性耳鳴の多くは咽頭や鼻の奥からの音、血液が血管を通過するときの異常な音であることが多いようです。自覚性耳鳴りの方がほとんどなのですが、難聴をともなうことが多いようです。傷害を受けた内耳の聴神経は聴力の悪い部分を補充するかのように耳鳴りとして感じます。いつも気になるとだんだん大きくなります。耳鳴検査でも耳鳴り音と難聴の周波数がほぼ一致していることが多いことからもわかります。また、聞こえが悪くなくても耳鳴りが聞こえることがあります。このような無難聴性耳鳴りの場合は精神的な影響が多いとされています。いずれにしろ、耳鳴りの治療には患者さんと担当医師との連携した継続的努力が必要となります。

耳鳴りの検査は通常はどれほど日常生活に支障があるかを数値化して治療変化を検討します。さらに標準純音聴力検査、耳鳴検査、鼓膜の可動性の検査、内耳機能検査、OAEなど、必要があれば、頭部の CTやMR、平衡機能検査、心理テストなどを行います。しかし、最も大事なのは患者さんが耳鳴りを自分の中でどのように捉えているかということで、いわゆる気になり方の尺度が問題となってきます。耳からの障害による内耳性耳鳴りであっても無難聴性耳鳴りであっても、耳鳴りを感じている感覚レベルが亢進していると過敏症になっていますので、特に静かな場所で耳鳴りの音を思い出してしまうことも多々あります。

前述の通り、耳鳴り治療には継続的な努力が要され、過去から現在まで至るまで即効性のある手段というものはありません。ほとんど場合には、ビタミン B12、循環改善剤、ステロイドホルモン剤、漢方薬、星状神経節ブロックなどを用いて内耳障害の治療が行われます。耳鳴りの感覚レベルを抑制する方法として、キシロカイン注射、自律訓練法、心理療法、TRT、耳鳴りを一時的に抑制する方法として、マスカー療法、抗不安薬、抗うつ剤等が用いられます。当院ではこれらの治療に加えて、患者さん個人に合わせたオーダーメード治療を考案し、例えば女性にはプラセンタ注射、難聴には各種ビタミン剤やMg製剤、抗酸化作用目的に高濃度ビタミンCの点滴組み合わせなど患者さんの耳鳴りに対して積極的な治療を行っています。

 

加齢性難聴

症状
加齢とともに聴力が低下します。音は聞こえても内容がわからないことが始まりです。
治療
標準純音聴力検査、語音明瞭度検査などを行ったのち、有効であれば補聴器専門店か認定技能士を紹介します。補聴器の上手な使い方
 

騒音性難聴

症状
強大音の暴露によって聴力が低下します。
治療
内耳はある程度の耐久力がありますが一線を越えると回復することはありません。治療は診断と予防です。大きな音を聞いたり、いつも音楽をイヤホンで聞いていて聞こえが悪い?と思ったら受診しましょう。
 

遺伝性難聴

症状
遺伝子に難聴遺伝子があるケースです。高度難聴から軽度、進行性まで様々です。
治療
標準純音聴力検査、語音明瞭度検査、OAEなどを行います。必要性があれば遺伝子を調べるために専門の病院を紹介します。
 

急性中耳炎

症状
急性中耳炎は主に子供多くおこります。耳痛、発熱、耳垂れです。
治療
まず、中耳炎に有効といわれる抗生物質の投与をしますが改善しなければ切開排膿します。
申し訳ございませんが、現在の所、当院では院内環境・設備から小学生以下のお子様の急性中耳炎の治療は投薬程度になります。
 

滲出性中耳炎

症状
鼓膜の内側に液が貯留する中耳炎です。耳痛はなく、閉塞感が主な症状ですが本人が気が付かないような難聴があります。
治療
鼻と耳の換気チューブである耳管と鼻の治療をします。改善がなければ、鼓膜を切開して廃液したり、換気チューブを挿入します。
 

慢性中耳炎

症状
鼓膜に穴があいて、慢性的に炎症がおこる状態です。
治療
聞こえが悪くなりますので手術の対象になります。また真珠種性中耳炎という骨が融解していくタイプでは放置により、顔面神経麻痺、めまいも起きる可能性があるので手術が必要です。鼓膜の穴を閉鎖する手術をおすすめしています。最近では鼓膜の再生物質を使用して確実な閉鎖を促す方法があります。責任をもって専門病院を紹介します。
 

外耳炎

症状
痛み、かゆみ、閉塞感、イヤホンでもなります。
治療
局所の安静と炎症を抑える軟膏をぬります。
 

耳垢塞栓

症状
耳垢が柔らかい人と乾燥している人がいます。日本人は乾燥型が多いようです。掃除は入り口から1㎝まで、綿棒でふき取る程度が良いのですが、たまに奥に固まってしまうこともあります。聞き取りにくくなったという原因で最も多いものです。
治療
顕微鏡を使って、きれいにとることができます。当院ではモニターでご自身で見ることができます。